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Vol.05 「ひだ宇宙科学館 カミオカラボ」篇

ホトンくん、「カミオカラボで神岡町のすごさを再確認!」の巻

岐阜県飛騨市神岡町にある、道の駅「スカイドーム神岡」の中に2019年3月に開設された、「ひだ宇宙科学館 カミオカラボ」に行ってきたよ。ご存知、神岡町にあるスーパーカミオカンデで研究されているのは「ニュートリノ」。その性質をゲームを通じて学べるようになっていたり、大迫力の映像で、壮大な宇宙の冒険を体験できる。神岡という町で繰り広げられる最先端の宇宙研究をまとめて知ることができちゃう! 歴史ある飛騨の山がたたえる空気感と、最先端科学の融合した独特の世界を堪能する、大満足のお出かけスポット。ぜひ、のんびりと訪れてみてほしいと思ったよ。
神岡城から見下ろす、神岡の街と高原川のすばらしい景色。
神岡城から見下ろす、神岡の街と高原川のすばらしい景色。
道の駅「スカイドーム神岡」
道の駅「スカイドーム神岡」
全国でもめずらしい、道の駅に併設された科学館「ひだ宇宙科学館 カミオカラボ」はドーム型の建物の中。
全国でもめずらしい、道の駅に併設された科学館「ひだ宇宙科学館 カミオカラボ」はドーム型の建物の中。
スカイドーム神岡の駐車場から歩いて行ける神岡城。
スカイドーム神岡の駐車場から歩いて行ける神岡城。
カミオカラボの施設長の石橋さん。
カミオカラボの施設長の石橋さん。リピーターになればなるほど楽しい気持ちになっちゃうような、いろいろな企画を用意してくれている。10月12日には来場者数10万人を突破したそうで、おめでとうございます!

スーパーカミオカンデのすごーい技術を学ぼう!

カミオカラボに入ると、まずは、山の中にスーパーカミオカンデが建設される様子がミニチュア模型で再現されている。奈良時代から鉱石の採掘に利用されてきた奥飛騨の山で、1980年代に入り新たな一大事業となったカミオカンデ、スーパーカミオカンデの建設。硬い岩盤や豊富な水、そして高い掘削の技術力のある企業の存在があって実現しているこのプロジェクトに、多くの街の人が誇りに思っていることだろうね。

   

スーパーカミオカンデを建設するための掘削作業、チェレンコフ光の検出器「光電子増倍管」の取り付け作業、そして、2ヶ月かけて5万トンのタンク内に注水する作業を模型や映像などで見ることができるよ。

館内にいるサイエンスコミュニケーターが解説してくれて、とてもわかりやすい!(写真は団体予約されたグループのみなさん)

光電子増倍管の取り付け作業の模型。高さ40mもある大きなタンクに1万本以上の光電子増倍管を取り付けるなんて、すごい作業だ!

こちらは、スーパーカミオカンデ内水槽を再現した展示。実際の材料・取り付け方で光電子増倍管が取り付けられている。(※光電子増倍管は安全のため真空ではなく窒素が入れられたものだそう) また、展示方法にも面白い仕掛けが・・・

スーパーカミオカンデの中に入っちゃったみたいなこの迫力!上も下も光電子増倍管がずらっと並ぶ光景!カミオカラボには、なるほど、と思える仕掛けがたくさんあって、見る人を満足させようという創意工夫があちこちに感じられる。

ワンダーシップに乗って、ニュートリノを追え!

巨大な円柱型スクリーンで体験できるのは、宇宙船「ワンダーシップ」に乗って体験する、『超新星爆発で発生したニュートリノの行方を追う』冒険だ。何度でも乗りたくなる臨場感!宇宙研究の面白さを味わってほしいな。
   

本当に宇宙船に乗っているみたいで・・・最初からワクワクが止まらない。

ニュートリノが降り注ぐ!

池ノ山の坑道を通って、スーパーカミオカンデへ行くぞ。

スーパーカミオカンデの中に入ってニュートリノを観測!

ニュートリノって何なのだろうか??ゲームしながら学んじゃおう

スーパーカミオカンデは、世界最大の地下ニュートリノ観測装置だ。では、ニュートリノとは何なのだろうか?そして、どうして世界中でニュートリノを研究してるんだろうか?ニュートリノという名前は、「電気を持たなくて小さい」という意味を持っているらしいんだけど・・・。
ゲームを楽しみながら学べるよ。
   

この世界のあらゆる物質を作っているのは原子で、その中心にある原子核は、それよりもはるかに小さい素粒子でできている。さらにその素粒子の中でも、かなり小さくて軽いのがニュートリノなんだって。ここでは、画面に映った原子を手でとらえて、別の種類の原子とくっつけることで水などの身近な物質をつくるゲームができるよ。

こちらの展示は、ニュートリノの「どんなものでも突き抜ける」という性質をあらわしたおもしろい仕掛けだよ。真ん中に黒い壁があるのに、ニュートリノはさっと通り抜ける!?

どんなものでも通り抜けるニュートリノだけど、ごくまれに物質とぶつかることもあるらしいんだ。スーパーカミオカンデは、ニュートリノが水の原子核とぶつかったときの光を検出して、詳しく解析することでニュートリノのエネルギーや種類、方向を調べている。
これは、ニュートリノを水の原子核にぶつけて光らせるゲーム。簡単そうに見えるけどけっこうむずかしい!なかなか光らないニュートリノ。ニュートリノの観測のむずかしさを感じちゃった。

ニュートリノは「変身する」!?それを最初に発見したのがスーパーカミオカンデだ。3種類のニュートリノのうち、「タウニュートリノ」が飛んで来たらタッチしよう!どんどん早くなるし、すぐに別のニュートリノに変わっちゃうから、エキサイティング!
ニュートリノが他の種類に変身するということは、ニュートリノに重さがあるっていう証拠なんだって。この大発見に、世界中の科学者たちがエキサイトしたらしいよ。

神岡は、世界最先端の宇宙研究拠点。2度のノーベル物理学賞をもたらす功績が生まれた

神岡町で繰り広げられる、世界最先端の宇宙研究。これまでに2度も、ノーベル物理学賞の受賞へとつながる功績を残しているし、カミオカンデ、スーパーカミオカンデだけじゃない。2019年には大型低温重力波望遠鏡「KAGRA(カグラ)」が完成し、重力波という新しいツールを使って、ブラックホールや宇宙そのものの誕生の瞬間を観測する計画が始まっている。スーパーカミオカンデを約10倍の能力にしたハイパーカミオカンデも計画されているし、これからますます、目が離せない!
   

神岡鉱山のある池ノ山の模型。ハンドルを持って山の内部をのぞいてみよう!

スーパーカミオカンデだけでなく、カムランドや、KAGRA、低バックグラウンド実験というのも建設されているんだって。

レーザ干渉法という方法を使って重力波を直接観測することに挑戦しているKAGRAの模型。重力波をとらえて使うことができれば、光ではとらえられない、宇宙誕生のころの様子を観測できるんだって!

スーパーカミオカンデでの実験で「ニュートリノが質量をもつ」ということを見つけて、2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章博士の等身大パネル。握手して写真を撮ろう!

そして「むすびば」のゾーンも盛りだくさん。スーパーカミオカンデの観測の様子がライブ映像で映されていたり、研究者たちの紹介やQ&Aコーナー、紙芝居もあるよ。トークイベントやサイエンスコミュニケーターのミニ講座も開催されるから、予定をチェックして見て行ってほしいな。

この写真は、エントランスの壁面に描かれた「超新星爆発からのニュートリノが神岡町に降り注ぐ様子」というイラスト。
ニュートリノは宇宙全体に降り注いでいても、物質を通り抜けて行ってしまうから私たちの体が感じることはできない。でも、カミオカラボでニュートリノのことや、どうやって観測しているのかを知ると、この絵のように、その存在があたたかく、尊いもののように感じられるような気分になったよ。
「超新星爆発からのニュートリノが神岡町に降り注ぐ様子」のイラスト
「超新星爆発からのニュートリノが神岡町に降り注ぐ様子」のイラスト

イベント情報をチェックして行ってみよう!

ひだ宇宙科学館 カミオカラボ
https://www.city.hida.gifu.jp/site/kamiokalab/

道の駅 スカイドーム神岡
https://www.skydome.jp/