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光について「質問」してみよう ウメさんの質問

Q. どうして影はできるの︖
       ウメさんからの質問

  • 執筆者
  • ⼤須賀 慎⼆(おおすか しんじ) 浜松ホトニクス株式会社 中央研究所/専⾨分野︓光計測(微弱光計測)、 放射線計測、数理統計

影ができるメカニズムを解説します

下の写真を⾒てください。太陽からの光がホトン君の影を作っています。影の中はまわりよりも暗く⾒え、また、影の形はホトン君によく似ています。このような影は、どうしてできるのでしょうか。

下の図では、太陽からの光が四⾓い物体を照らしています。どのような光源からの光であっても、光はまっすぐ進む性質(直進性)を持っています。そして、太陽のような遠くの光源からの光は、図の⽮印で表したように進む⽅向が揃っています。光が物体に当たると、物体が透明でなければ、吸収されてなくなってしまうか、反射・散乱されて向きを変えてしまい、当たった場所から先へまっすぐ進むことはできません。そのため、太陽から⾒た物体の後ろ側に、太陽からの光は届くことができなくなり、まわりよりも暗い影ができます。光はまっすぐ進むので、物体に当たらなかった光が影の中に⼊り込むこともありません(※)。また、光の直進する性質から、例えば、ホトン君の右⼿の指先(a)の影の位置は、太陽と点aを結ぶ直線がホトン君の⽴っている平⾯と交わる点Aに決まります。

このように、ホトン君の輪郭上の各点と影の境界上の点とが対応して、ホトン君によく似た形の影が出来上がります。影がホトン君よりも伸びているのは、太陽からの光が斜めに差し込んでいるためです。

図
(※) 地⾯には太陽から直接届く光だけではなく、上空の雲や空気中の分⼦で散乱された太陽光や、まわりの建物からの反射光等が、⾊々な⽅向から届いているため、影の中が真っ暗になることはありません。
ウメさん、ご質問ありがとうございました︕
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